整形外科とは、運動器の疾患を診断し、治療する医学の一分野です。運動器とは、骨や関節、筋肉や靭帯など、身体の動きに関係する部位のことです。整形外科では、これらの部位に起こるさまざまな病気やケガを扱います。
整形外科の主な病気としては、以下のようなものがあります。
- 骨粗鬆症:骨がもろくなり、骨折しやすくなる病気です。加齢や女性ホルモンの減少、カルシウムやビタミンDの不足などが原因です。
- 変形性関節症:関節の軟骨がすり減り、骨同士がぶつかって痛みや変形が起こる病気です。加齢や肥満、過度な運動やケガなどが原因です。
- 腰椎(頚椎)椎間板ヘルニア:腰や首の椎間板というクッションが飛び出し、神経を圧迫して痛みやしびれが起こる病気です。加齢や重いものを持ち上げるなどが原因です。
- 五十肩(肩関節周囲炎):肩関節を取り巻く筋肉や靭帯が炎症を起こし、肩が上がらなくなる病気です。加齢やストレス、姿勢の悪さなどが原因です。
- ロコモティブシンドローム:運動器の機能低下により、歩行困難や日常生活に支障をきたす状態です。骨粗鬆症や変形性関節症などの運動器疾患が原因です。
- 外傷その他:捻挫や骨折、スポーツ損傷、ぎっくり腰など
整形外科では、これらの病気に対して、手術的治療と保存的治療(手術をしない治療)の両方を行います。手術的治療では、患部に切開を加えて金具(プレートやスクリュー、芯棒など)することが多いです。保存的治療では、投薬や注射、温熱やリハビリテーションなどで、患部を安静に保ちつつ回復を促します。
整形外科では、治療だけでなく予防も重要です。運動器の健康を保つためには、以下のようなことに注意しましょう。
- 体重管理:肥満は運動器に負担をかけるだけでなく、骨粗鬆症や変形性関節症のリスクを高めます。体重を適正に保つことで、運動器の負担を軽減できます。
- 適度な運動:運動不足は筋力や柔軟性の低下を招きます。適度な運動は運動器の機能を維持するだけでなく、血行や代謝を促進します。ただし、過度な運動は逆効果になるので、自分の体力や状態に合わせて行いましょう。
- 食事:食事は運動器の健康に大きく影響します。特に、カルシウムやビタミンDなどが豊富な食品は骨を強くする効果があります。一方で、動物性脂肪や砂糖などが多い食品は骨粗鬆症や変形性関節症のリスクを高めます。
- 姿勢:姿勢の悪さは筋肉や関節に負担をかけます。特に、長時間のデスクワークやパソコン作業は首や肩に負担をかけるので注意しましょう。定期的に休憩をとり、ストレッチやマッサージを行いましょう。