松戸常盤平いいだ整形外科 運動器リハビリテーションクリニック

腱板断裂のリハビリは何をする?保存療法や術後の流れ・注意点を解説

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腱板断裂のリハビリは何をする?...

「腱板断裂と診断されたけれど、リハビリでどこまで改善するの?」「どのような運動をすればよく、避けた方がよい動きはある?」と不安に感じている方もいるのではないでしょうか。腱板断裂のリハビリは、痛みや肩の動き、断裂の程度、保存療法か手術後かによって進め方が異なります。

リハビリでは、肩関節の動きを保ったり、失われた動きを取り戻したりするための訓練や、腱板・肩甲骨周囲の筋肉を働かせる運動などを、状態に合わせて行います。一方、痛みを我慢した自主トレや、回復段階に合わない負荷は肩への負担につながるため注意が必要です。

今回の記事では、腱板断裂のリハビリで行う内容や改善が期待できる範囲、保存療法・手術後の流れ、自主トレや筋トレの注意点、リハビリを受けられる場所まで解説します。腱板断裂のリハビリについて知りたい方や、整形外科への受診を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

腱板断裂のリハビリで行う主な内容

腱板断裂のリハビリでは、痛みや肩の動き、筋力、日常生活で困っている動作などを確認し、状態に合わせた訓練を組み合わせます。腱板だけを見るのではなく、肩甲骨や背骨・胸郭の動きも含めて、肩全体の機能を整えていくのが特徴です。代表的なリハビリ内容と、医療機関で行う運動の例をみていきましょう。

肩関節の可動域訓練

腱板断裂では、痛みを避けるために腕を動かす機会が減り、肩関節の動く範囲が狭くなることがあります。可動域訓練は、肩の動きを保ったり、制限されている動きを少しずつ取り戻したりするために行います。

症状や治療段階によっては、自分の力だけで腕を上げるのではなく、反対側の手や理学療法士の介助で肩を動かす方法から始めます。医療機関で行う運動には、たとえば次のようなものがあります。

  • 体を前に傾けて腕を垂らし、小さく揺らす振り子運動

  • テーブルの上にタオルを置き、手を滑らせるように腕を前に伸ばす運動

  • 反対の手で支えながら、仰向けで腕を持ち上げる運動

運動の際は、肩をすくめるなどの無理な動き(代償動作)が出ていないかを確認しながら、痛みの出ない範囲で進めます。どの運動から始めるかは、肩の状態に合わせて医師や理学療法士が判断します。

腱板・肩甲骨周囲の筋力訓練

肩関節を安定させて腕を動かすには、腱板や肩甲骨周囲の筋肉が適切に働くことが重要です。筋力訓練では、断裂していない腱板や肩甲骨周囲の筋肉を生かしながら、肩全体が安定して動く状態を目指します。

最初から強い負荷をかけるわけではなく、軽い負荷から段階的に進めるのが基本です。運動の例としては、次のようなものがあります。

  • 胸を張るように左右の肩甲骨を寄せる運動

  • 肘を体の横につけたまま、ゴムチューブを外側へ引く運動

  • 壁に手をついて、肩甲骨を安定させながら体重をかける運動

医療機関のリハビリでは、筋力を高めることだけでなく、肩甲骨と腕が連動して動いているかも確認します。強い負荷よりも、肩に余計な負担をかけずに正しい動作を続けられることが重視されます。

日常生活動作の練習と生活上の工夫

腱板断裂では、着替え、洗髪、高い場所の物を取る、背中に手を回すといった日常動作で、痛みや動かしづらさを感じることがあります。リハビリでは可動域や筋力だけでなく、生活の中で必要な動作にも目を向けます。

たとえば、痛みのある側から先に服の袖を通す、物を取るときは踏み台を使って腕を高く上げすぎない、重い物は体に近づけて持つといった工夫で、肩への負担を抑えながら動作を行いやすくなります。夜間に肩が痛む場合は、仰向けで寝るときに肘の下にクッションやタオルを入れて、腕が後ろに落ちないようにすると楽になることがあります。

必要な肩の動きは、仕事内容や生活習慣によっても異なります。家事や仕事で腕を高く上げる機会が多い方、スポーツで肩を繰り返し使う方など、それぞれの目標を踏まえて練習を進めていきます。

腱板断裂はリハビリで改善する?

腱板断裂と診断されると、「リハビリをすれば断裂そのものが治るのか」と疑問に思う方もいるでしょう。腱の状態と、痛みや肩の機能の改善は分けて考える必要があります。リハビリで期待できることと、手術が検討されるケースを解説します。

断裂した腱は戻らなくても症状は改善し得る

腱板断裂に対するリハビリは、断裂した腱そのものを元の状態に戻すことを目的とした治療ではありません。一方で、断裂が残っていても、残っている腱板や肩甲骨周囲の筋肉が働きやすくなることで、痛みや肩の使いやすさが改善するケースがあります。

そのため、腱板が断裂しているからといって、必ずしも肩が動かせなくなるわけではありません。また、画像上の断裂の大きさと痛みの程度は、必ずしも一致するとは限りません。治療方針は、画像検査の結果だけでなく、実際の症状や筋力、可動域、生活上の困りごとなども含めて考えます。

保存療法で期待できる改善と見直しの目安

症状や断裂の状態によっては、手術を行わずに保存療法から治療を始めます。保存療法では、薬や注射で痛みを抑えながらリハビリを行い、肩を動かせる範囲が広がる、腕を使いやすくなるといった機能の改善を目指します。

効果の現れ方には個人差があり、すぐに結果が出るとは限りません。一般的には、数か月ほど続けながら、痛みや動き、生活での困りごとがどう変化したかを確認していきます。改善がみられない場合は、同じ内容を漫然と続けるのではなく、肩の状態を改めて評価して治療方針を見直します。

手術が検討されるケース

保存療法を一定期間続けても強い痛みや機能障害が残る場合には、手術が選択肢になることがあります。また、転倒などのけがをきっかけに生じた断裂や、断裂の程度が大きい場合、腕を大きく使う仕事やスポーツへの復帰を希望する場合なども、状態に応じて手術の必要性が検討されます。

ただし、「リハビリで改善しなければ必ず手術になる」というわけではありません。年齢や症状、断裂の状態、仕事や生活環境などを踏まえ、医師と相談しながら決めていきます。

保存療法・手術後のリハビリの流れ

腱板断裂のリハビリは、保存療法と手術後で目的や進め方が異なります。保存療法では症状に合わせて肩の機能改善を目指し、手術後は修復した腱を保護する期間を経てから段階的に動かしていきます。それぞれの特徴を比較すると、次のようになります。

項目

保存療法

手術後

主な目的

痛みや肩機能の改善

修復した腱の保護と機能回復

進め方

症状に応じて段階的に運動

手術内容や回復段階に合わせて進行

注意点

痛みを悪化させる負荷を避ける

医師の許可なく負荷を増やさない

保存療法の段階的な進め方

保存療法では、肩の状態に合わせて次のような段階で進めていくのが一般的です。

  • 痛みが強い時期:症状を悪化させる動作を避け、薬や注射で痛みを和らげながら、無理のない範囲で肩を動かす

  • 痛みが落ち着いてきた時期:可動域訓練で、肩を動かせる範囲を少しずつ広げる

  • 動きが改善してきた時期:腱板や肩甲骨周囲の筋力訓練を加え、日常生活で必要な動作につなげる

各段階に進む時期は、断裂の程度や痛み、筋力、生活環境によって異なります。運動で痛みが強くなる場合は、回数だけでなく負荷や動かす範囲も見直しながら進めます。

手術後の段階的な進め方

腱板を修復する手術を受けた場合は、修復した部分に負担がかからないよう、段階を追ってリハビリを進めます。一般的な流れの目安は次のとおりです。

段階

時期の目安

主な内容

保護する時期

術後早期

装具で肩を固定し、理学療法士の介助など

で肩を動かす

動きを取り戻す時期

数週間ほど経過してから

装具を外し、自分で腕を動かす範囲を少しずつ広げる

筋力を高める時期

さらに経過してから

軽い負荷から筋力訓練を始め、段階的に強める

復帰に向けた時期

数か月かけて

仕事やスポーツで必要な動作の練習を行う

具体的な開始時期や装具を使う期間は、断裂の大きさや手術方法、術後の状態によって異なります。ほかの人のリハビリ内容やインターネット上のプログラムを、そのまま自分に当てはめることは避けましょう。

日常生活・仕事・スポーツ復帰の目安

日常生活や仕事、スポーツへ復帰できる時期は、治療方法や肩に求められる動作によって変わります。デスクワークと、重い物を持つ仕事や腕を高く上げる作業では、肩への負担が異なるためです。

スポーツでも、投球動作やラケットを振る動作など、肩を繰り返し使う競技では、より慎重な判断が必要です。復帰の時期は、治療開始からの期間だけで決めるのではなく、痛み、可動域、筋力、必要な動作を安全に行えるかを確認して判断します。

腱板断裂の自主トレ・筋トレの注意点

自主トレは、通院日以外にも肩の機能改善を続けられる方法ですが、運動内容や負荷が状態に合っていることが前提です。動画や一般的な筋トレ方法をそのまま取り入れず、医師や理学療法士に指導された内容をもとに進めましょう。

痛みが強い時期は無理に動かさない

「動かさないと肩が固まってしまうのでは」と考え、痛みを我慢して運動を続ける方もいます。しかし、強い痛みがある状態で腕を繰り返し上げたり、重い物を持ったりすると、肩への負担が増える可能性があります。

運動中だけでなく、運動後に痛みが強く残る場合も、負荷が合っていないサインです。急に腕が上げにくくなった、力が入りにくくなったなどの変化がある場合は、自主トレだけで様子をみず、整形外科へ相談してください。

回数や重さよりも正しい動作を優先する

自主トレでは、回数や重さを増やすことを優先せず、正しい動作で続けることが大切です。肩を大きくすくめるなど本来と異なる動きで運動を続けると、目的とする筋肉を十分に使えないことがあります。

医療機関で教わった運動を自宅でも再現できるよう、動き方のポイントを確認しておきましょう。回数や頻度も、症状や治療段階に合わせて調整してもらうと安心です。

手術後は指示された範囲と時期を守る

手術後は、痛みが軽くなってきても、修復した腱が十分な負荷に耐えられるまでには時間がかかります。調子がよいからといって、新しい筋トレを加えたり、チューブやダンベルの負荷を急に上げたりするのは避けましょう。

自主トレを始める時期や内容は、手術を行った医療機関の指示に従うことが基本です。指示された範囲を超える運動を始めたい場合は、事前に主治医や理学療法士へ確認してください。

腱板断裂のリハビリはどこで受ける?

腱板断裂のリハビリは、自己流で始めるのではなく、まず肩の状態を評価してもらい、治療方針を確認したうえで進めることが大切です。医療機関で受けるリハビリと、自宅での自主トレを組み合わせるのが一般的な形です。

整形外科で肩の状態を評価してもらう

肩の痛みや腕の上げにくさがあり、腱板断裂が疑われる場合は、整形外科を受診しましょう。診察では、症状が出たきっかけや肩の動き、筋力などを確認し、必要に応じて画像検査を行います。

X線検査では腱板そのものは写りませんが、骨や関節の状態、ほかの病気がないかを調べる際に役立ちます。腱板の状態は超音波検査で確認することができ、さらに詳しい評価が必要な場合にはMRIが検討されます。

運動器リハビリで理学療法士の指導を受ける

運動器リハビリを行う医療機関では、医師の診断や治療方針をもとに、理学療法士などが肩の可動域や筋力、日常動作を評価し、リハビリを行います。状態の変化に合わせて運動内容や負荷を調整できるのが、医療機関でリハビリを受ける利点です。

通院でのリハビリで正しい動き方を身につけ、自宅では指導された自主トレを続けることで、通院日以外も機能の改善に取り組めます。手術後のリハビリについては、手術を行った医療機関の方針も確認しながら進めましょう。

まとめ | 腱板断裂は状態に合ったリハビリが重要

腱板断裂のリハビリでは、肩関節の可動域訓練や腱板・肩甲骨周囲の筋力訓練、日常生活動作の練習などを、症状や治療段階に合わせて行います。断裂した腱そのものが元に戻るわけではありませんが、保存療法によって痛みや肩の機能の改善が期待できるケースもあります。改善が不十分な場合や断裂の状態によっては、手術が検討されることもあります。

自主トレは、痛みを我慢したり自己判断で負荷を増やしたりせず、指導された内容を続けることが大切です。

松戸常盤平いいだ整形外科では、整形外科専門医による診療と、超音波検査を用いた肩の評価、運動器リハビリテーションを行っています。肩の痛みや腕の上げにくさが続いている方、腱板断裂と診断されてリハビリを検討している方は、お気軽にご相談ください。

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